スペイン語の冠詞について知ろう!
Hola!(こんにちは)
今回は、スペイン語の冠詞についてご紹介します。冠詞は日本語には存在しない概念なので、ちょっと取っつきにくい印象を受けますが、慣れれば問題ありません。あまり苦手意識を持たずに少しずつ学習して覚えていきましょう。
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■冠詞について:
冠詞は名詞の前に付けられる文字のことで、それ自体には意味はありません。あくまでも名詞の性別や数(単数または複数)を表すために用いられます。
また、冠詞が付けられているか否かにより、その名詞が文章や会話の中ですでに出てきているものなのか、それとも初めて出てくる言葉なのかが話し手も聞き手も分かるという意味合いもあります。
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■スペイン語の定冠詞について:
スペイン語の定冠詞は、それぞれ、男性と女性、そして、単数と複数という全部で以下の4通りの形があります。
①男性形単数=El(エル)
(例)El carro=カロ(車)、El árbol=アルボル(木)等
*Carroは中南米で使われることが多く、スペインではCoche=コチェが一般的。
②男性形複数=Los(ロス)
(例)Los zapatos=サパトス(靴)、Los pies=ピエス(足)
*靴も足も2つでワンセットと考えられるため、基本的に複数形が用いられます。
③女性形単数=La(ラ)
(例)La mesa=メサ(机)、La cama=カマ(ベッド)、La puerta=プエルタ(ドア)等
④女性形複数=Las(ラス)
(例)Las manos=マノス(手)、Las piernas(足、太ももからふくらはぎにかけて)
定冠詞は基本的に、話し手も聞き手も、具体的にどれについて話しているのかが分かる名詞に付けられます。この説明だけでは、なかなか分かりにくいかもしれませんので、以下、例を挙げます。
(例1)Yo conocí un señor ayer, el señor fue una persona muy divertida!
=ジョ コノシ ウン セニョール アジェール エル セニョール フエ ウナ ペルソナ ムイ ディベルティダ
(訳)昨日、ある男性と知り合いまして、その男性はすごく愉快な人でしたよ。
この文だと、「El señor(その男性)」というのが、会話の最初に出てきた「Un señor(ある男性)」であることが話し手にも聞き手にも理解できる状態です。このような状態では、名詞の前に定冠詞を付けます。
次に、別の例をご紹介します
(例2)Yo conocí un señor ayer, el señor fue una persona muy divertida! Disculpe, me puede pasar el pan?
=ジョ コノシ ウン セニョール アジェール、エル セニョール フエ ウナ ペルソナ ムイ ディベルティダ!ディスクルペ、メ プエデ パサール エル パン?
(訳)昨日、ある男性と知り合いまして、その男性はすごく愉快な人でしたよ。すいません、そのパンを取ってもらえますか?
上のシチュエーションの場合は、二人とも食事をしている中での会話で、話し手が聞き手に対し、テーブルの上に置かれているパンを取ってくれないかと頼んでいる状況です。
この場合、「El pan」は会話では一度も出てきていませんが、状況的にテーブルの上に置かれているパンを指していることが分かりますので、このような場合も定冠詞が付けられます。
定冠詞はあくまでも概念のような存在であり、特に会話の中では、あまり気にしすぎなくても大丈夫です。
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■スペイン語の不定冠詞について:
スペイン語の不定冠詞も定冠詞と同様、男性と女性、そして、単数と複数の計4通りが存在しています。
①男性形単数=Un(ウン)
(例1)Yo conocí un señor ayer=ジョ コノシ ウン セニョール アジェール
(訳)私は、昨日、ある男性と知り合いました。
②男性形複数=Unos(ウノス)
(例2)Yo quiero comprar unos zapatos=ジョ キエロ コンプラール ウノス サパトス
(訳)私は靴を買いたいです。
③女性形単数=Una(ウナ)
(例3)Yo hablé con una muchacha bastante hermosa ayer=ジョ アブレ コン ウナ ムチャチャ バスタンテ エルモサ アジェール
(訳)私は、昨日、とても美しい女性と話しました。
④女性形複数=Unas(ウナス)
(例4)Yo quiero comprar unas cebollas=ジョ キエロ コンプラール ウナス セボジャス
(訳)私は玉ねぎを買いたいです。
上記の例を詳しく解説しますと、まず例1と例3は会話の中で、この男性と美しい女性は初登場であり、聞き手はどの人のことを指しているのか理解していない状況なので、不定冠詞が使われています。
次に、例2は話し手自体も、聞き手も、どの靴を、何足買うかが分かっていないため、不定冠詞が使われ、例4もどの程度の玉ねぎを購入するのかが不明瞭なため不定冠詞が用いられます。
上記の例の他にも、数を表すために不定冠詞が使われます。
(例)Yo quiero comprar una cebolla (unas cebollas)=ジョ キエロ コンプラール ウナ セボジャ(ウナス セボジャス)
(訳)私は玉ねぎを一個買いたいです。(玉ねぎを数個買いたいです)
「Un/una」は「一つの」や「ある」と、「Unos/unas」は「いくつかの」のように訳されることが多いですが、定冠詞同様にあまり細かい訳を気にしすぎる必要はないかと思います。
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いかがでしたか?
今回、解説した内容はあくまでも基礎的な内容ですが、他にも例外は存在します。実践を積みながら、少しずつ覚えていきましょう。
今回も記事を最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、Hasta luego!(またね)